相続問題解決事例

相続問題の解決事例

【その他訴訟】相手方が保管していた当方の株式の売却代金の返還を受けた事例

依頼者:二男(60代)
相手方:長男(60代)

事案内容(相談までの背景)
依頼者は、父の相続の際に株式を相続しましたが、母から頼まれてその名義を母親にしていました。
その後、当該株式は売却されて、その売却代金は母と同居していた相手方が管理するようになりました。
依頼者は、母が亡くなったのを契機に、相手方に対して株式の売却代金の返還を求めましたが、相手方が応じないので、当事務所にご相談に来られました。

 
問題点
依頼者は、相手方名義の預金口座の履歴に、株式の売却代金とほぼ同額(約1000万円)の入金記録があることは把握していました。
しかし、それが本当に株式の売却代金なのか、という点が訴訟で問題となりました。

 
解決内容
当方は、各種資料を集めて、株式が売却された時期、金額と、相手方名義の預金口座の履歴に入金があった時期や金額が近似していることを裁判所に対して説明しました。
その結果、裁判所も、相手方名義の口座への入金原資は、依頼者の株式の売却代金であるとの心証を抱き、当方に相当有利な内容で和解することができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
今回は、株式の売却代金が相手方名義の口座に入金されたのか、という点が問題になりましたが、裁判で立証すべき事項がある場合に、どのような主張をして、どのような証拠を提出すればよいのか、という点は、専門的な知識や経験則が必要な場合があります。
判断に迷われることがありましたら、お早めに専門家に相談されることをお勧めします

【トラブル】他人名義の預金を、自己の財産であると確認できた事例

依頼者:男性(50代)
相手方:10名

事案内容(相談までの背景)
依頼者の方は、実父の再婚相手の女性(育ての母)を母のように慕い、自分の財産を育ての母名義の口座に入れていました。
しかし、育ての母が亡くなった後、依頼者は自分には育ての母の相続権が無いことを知りました。
このままでは、依頼者の預金を育ての母の相続人が相続してしまうため、相談にいらっしゃいました。

 
問題点
育ての母名義の預金口座の預金の一部は、依頼者の方が稼いだ財産であることは間違いありません。
預金の一部が依頼者の財産であることを理解してもらい、銀行から預金を引出すために、どのような方法が適切かが問題になりました。

 
解決内容
弁護士から相続人の方にお手紙を送り、母の預金の一部が依頼者のものであることを説明しました。
そして、相続人の方全員に、母の預金の一部が依頼者のことであることを確認するとの確認書を書いていただきました。
依頼者の方は、この確認書を銀行に提示して、育ての母名義になっていた預金を無事を引出すことができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
他人名義の預金を、依頼者の財産であることを確認するという、特殊な事件でしたが、相続人の方が従前の事情を理解してくださり、全員分の確認書を取り付けることができました。
事前に銀行に、どのような書類があれば預金を引出すことができるか確認しておいたこと、相続人の方に従前の経緯を丁寧に説明をしたことが迅速な解決につながったと思います。

【遺言・特別受益・遺留分】相手方の特別受益が認められて、しっかり代償金を獲得することができた事例

依頼者:長男(50代)
相手方:長女(50代)

事案内容(相談までの背景)
父親と母親が亡くなり、相続人は長男と長女の2人であった。
父親と母親は遺言を書いており、いずれも長女に全財産を相続させました。
そして、長男から、遺留分減殺をして欲しいと相談がありました。

 
問題点
1.父親の遺産については、遺留分侵害が生じていないのではないか(父親から生前に多額の有価証券の贈与を受けているため)。
2.母親の遺産については、多額の使途不明金が存在するところ、かかる使途不明金が相手方の特別受益にあたるのではないか。

 
解決内容
1.については、生前に多額の有価証券の贈与を受けていたため、遺留分侵害額は生じないという結論になりました。
2.については、使途不明金全体のうち、半分ほどが特別受益という扱いになり、その結果、依頼者の遺留分侵害額を大幅に増額させることができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
弁護士照会で調査したことにより、多額の使途不明金を発見することができ、改めて弁護士照会の重要性を実感しました。
また、使途不明金全体の半分が、相手方の特別受益となったことにより、依頼者の遺留分侵害額を大幅に増額することができたのは、大きな成果だと思います。

【遺産分割】他の相続人が不動産を取得し、依頼者は預貯金を相続するとともに、代償金の支払を受けられた事例

依頼者:二男
相手方:長男

事案内容(相談までの背景)
被相続人(母)が亡くなり、相続人は子2人、遺産には長男が住んでいる土地建物(「本件不動産」といいます。)と預貯金がありました。

長男は、本件不動産を単独で取得すると、預貯金をほとんど取得できなくなってしまうため、本件不動産を2分の1に分割し、半分をご依頼者様(二男)に相続させる代わりに、預貯金も2分の1相続したいと主張しました。

ご依頼者様は、長男に対し、本件不動産は長男が長年居住していたのだから、長男が単独で取得すべきだといって何度も話し合いをしましたが、結局合意をすることができず、ご相談にみえました。

 
問題点
本件不動産は大阪府にあるのですが、ご依頼者様は東京都に在住していますので、ご依頼者様からすれば本件不動産を相続しても管理することができません。
また、ご依頼者様と長男の関係は従前からかなり悪かったため、長男の自宅の隣の不動産など相続したくないという事情もありました。

このような状況で、誰が何を相続するのが適切であるか、遺産の分割方法が問題になりました。

 
解決内容
遺産分割調停を申し立てたものの合意には至らず、審判手続に移行し、裁判官も交えて遺産の分割方法として何が適切かを議論しました。そして、最終的には、本件不動産を2分の1に分割することは極めて困難であり、長男が取得するか、競売するかしか方法が無いとの結論に至りました。

長男は、本件不動産が売却されるくらいであれば、単独で取得すると言ったため、ご依頼者様は預貯金の大半を相続することができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
遺産の分割方法(誰が、どの遺産を取得するか)で合意ができず、紛争になることは、よくあるパターンの1つです。

本件では、従前の経緯(長男が長年大阪にある本件不動産に居住していること、ご依頼者様は東京に自宅を所有しており、本件不動産の管理ができないこと等)を裁判所に説明することで、ご依頼者様の要望どおりに遺産を分けることができました。

【その他訴訟】遺産分割後に清算金の支払を請求された事例

依頼者:二男
相手方:長男

事案内容(相談までの背景)
被相続人(父)が死亡したので、相続人であるご依頼者様と相手方は、遺産分割協議書を作成しました。

しかし、相手方は、作成された遺産分割協議書は差し当たり作成したもので、その後にもう一度分割方法について話合い、相続分が2分の1になるよう清算をする約束があったと主張して、清算金支払請求訴訟を提起しました。

 
問題点
裁判では、遺産分割協議書作成後に清算をする合意があったかが争点になりました。

 
解決内容
ご依頼者様と相手方は、遺産分割協議書を作成するためにメールでやりとりをしていましたが、そのメールでは、遺産分割協議書作成後にもう一度分割方法については無い試合をするなどという話は一切なされていませんでした。

この証拠が決め手となり、相手方の請求を棄却する(認めない)という判決を得ることができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
当方は、訴訟の早い段階でご依頼者様と相手方のメールの記録を提出したことで、裁判官にも、早い段階で、相手方の請求は認められないのではないか、という心証を持ってもらうことができました。

訴訟をする場合、どのような点が争点になりそうか、どのような証拠が重要か、どのような結論になる可能性があるかなど、予め先を見通し、作戦を立てて主張立証をすることが重要です。

そのためには経験が重要ですので、ご不安なことがございましたら、早めに専門家にご相談されることをお勧めします。

【遺産分割・特別利益】相手方に特別受益を認めてもらった上で不動産を先行処理し、法定相続分で金銭を分け合った事例

依頼者:長女の子
相手方:長男の子、二男の子

事案内容(相談までの背景)
被相続人(二女)が死亡しましたが、その方には配偶者や子供がありませんでした。そのため、兄弟の子らが相続人となりました。
二男の子が遺産分割の処理に駆けずりまわったことや、相続人外の人物に生前のお礼をするために、法定相続分の2倍の遺産配分を要求しました。
それはおかしい、ということで長女のお子さんが相談に来ました。
二男の子が被相続人死亡時にお金を引き出していたので、これを控除する必要がありました。
また、空き家の不動産を早期に売却する必要がありましたが、相続人が多く、かつご高齢の方が多かったので、円滑に売却手続きを進める必要がありました。

 
問題点
問題点としては、
1.法定相続分通りの分配
2.長男の子が引き出した預貯金の取り扱い
3.不動産の早期処理、がありました
特に3については、相続人が多いため、不動産売却の時に何回も相続人全員から判子をもらうのは大変だと思われました。

 
解決内容
依頼をうけた後、すぐに調停を申し立てました。
調停での協議を重ね、
1.相続の割合は、法定相続分通りとなりました。
2.二男の子が費消したお金については特別受益的な扱いをして、その分を二男の子の相続分から控除することになりました。
3.不動産売却については、調停で「一部成立」という手続きを利用し、売却代金を遺産に組み入れ、配当することにしました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
法定相続分と異なる主張をされると、「そういうものなのか?」と思ってしまいがちです。
しかし、相続分を修正するのはレアなので、しっかりと法定相続分を主張するべきです。
なお、不動産の処理や金融資産の円滑な処理のため、一部成立を使うと、便利だと思います。

【遺産分割・特別受益】念のため生前の出金を調べたが、決定的な証拠は無く、法定相続分通りの遺産分割に円満に応じた事例

依頼者:甥
相手方:配偶者

事案内容(相談までの背景)
被相続人(伯父)が死亡したところ、その配偶者との間には子供がいませんでした。
また、伯父は遺言書を書いていませんでした。
そのため、依頼者(甥)にも法定相続分4分の1がありました。

配偶者の代理人弁護士から依頼者宛に、相続放棄をしてくれないか、という通知書が届いたので、どう対応したらよいか、と甥の方から相談がありました。
伯父と配偶者とはあまり仲が良くなかったことから、伯父の預貯金を無断で引き出した疑いもあるので調べてほしい、とのことでした。

 
問題点
まず、当然ですが、甥の立場としては、法定相続分があることの主張をする必要があります。
また、配偶者において、過去に問題のある預貯金の引き出しをしていなかったか確認する必要もありました。

 
解決内容
弁護士照会で過去の被相続人の預貯金の動きを調べましたところ、死亡の3年前、それから直前にまとまった出金がありました
ただ、解約伝票等も取り寄せましたところ、いずれも本人が払い戻したという証拠があり、配偶者は使い道を知らない旨主張されました。
そのため、配偶者側に特別受益があるという主張ができず(仮にできたとしても持戻し免除を主張されることになるでしょう。)、そのまま法定相続分である4分の1を主張するしかありませんでした。

結果的に代償金を即金でもらうことができたので依頼者にはそれなりに満足できる結論でした。

 

bengosi解決のポイント(所感)
預貯金の履歴を調べると気になる出金が存在する場合があります。
その場合も、きちんと出金の経過(たとえば定期の解約届出や払戻書の筆跡や押印を見てみないと、誰が出金したのか分かりません
本人が引き出した場合には、その後、何に使ったか、必ずしも判然とせず、相手方が使ったという証拠を示せないことも多いです
あくまで疑惑があってもしっかり調べないと、生前引出の責任を追及することは困難です。見込みだけではうまくいかないことが多いです。
 
初期の段階ならば、相手方に証拠を突きつけて自白をさせるなど、追及次第でうまくいく可能性もあるので、相手方と折衝する前に、専門家にご相談頂き、対策を練って頂くと効果的かも知れません。

【遺産分割】相続人全員が不要な不動産持分の処遇をめぐって争われた遺産分割事案

依頼者:長男、長女
相手方:二女、三女

事案内容(相談までの背景)
相続人だれもが不要な不動産(①古くて解体費用がかかる建物、②被相続人がかつて相続で共有持分を取得していた不動産持分)につき、相続人間で押し付け合いとなって争いが生じた事案でした。

 
問題点
被相続人の遺産を見てみると、大まかな内容は、「相続人の誰もが要らない不動産」、「預貯金」、「有価証券」でした。
相続人は皆、「預貯金」や「有価証券」の取得を希望し、「不動産」は他の相続人に取得してもらうことを希望していたため、どのような内容で遺産分割を成立させるかが問題になりました。

 
解決内容
不動産の売却をまず検討しましたが、
①老朽化した建物は、解体費用が予想外に高くついてしまい、
②共有持分となっていた土地は、山林の持分であったため、
買い手が到底見込めないものでした。

次に、不動産を引き取る相続人が預貯金を多めに取得させることを検討しましたが、相続人間の合意が形成できませんでした。

そこで、最終的には、不動産、預貯金、有価証券全てを相続分に従って割り付けて取得することとなりました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
不要な不動産の取扱いについては、特に処分が困難な場合、扱いに困る方が多く、この問題が解決しないために、預貯金も引き出してはいけないのではないか、などの悩みを抱えて相談にいらっしゃる方も少なくありません。
 

弁護士に相談するとかえってもめてしまうのではないか、などご心配される方もいらっしゃるのですが、早めに専門家に相談し、遺産内容にふさわしい具体的解決案を見出し、手続を進めていくことが、意外に近道であることも多いものです。迷ったときには、一度相談してみることをお勧めします。

【その他訴訟】被相続人の預貯金口座から、不正に出金をしたとして訴訟提起されたが少額の解決金の支払で早期解決した事例

依頼者:長男
相手方:次男

事案内容(相談までの背景)
被相続人の預貯金口座からの不正な出金を行ったとして、依頼者(長男)が、もう一人の相続人である次男から不当利得返還請求の訴えを提起された事案です。
もともと遺産分割調停を争っていましたが、不正出金の問題について双方の主張が平行線を辿ったため、遺産分割調停が不成立となってしまいました。
そのため、遺産分割を審判で、不正出金問題を訴訟で争うこととなりました。

 
問題点
預貯金の不正な引出しの問題では、通常は無断引出しを立証することが困難なことが多く、訴える側の方が基本的には苦労することが多いです。

しかし、本件は、以下の点で、依頼者である長男にとって厳しい事案でした。
1.当人(長男)が預貯金の引出しそのものを一部認める発言をしていたこと
2.引出しが度重なっている点が被相続人の生活状況から考えて不自然なこと

 
解決内容
相手方からの請求の根拠に当方が反論しにくい部分があったのは前記のとおりですが、他方で、おかしな点もありました。
例えば、○月○日に引き出した分は、依頼者の身内が高級時計を購入するのに充てられた、というものがありました。
しかし実際のところ、この時計は自己資金で購入していたものでした。

こうした点をひとつずつ追及していくことで、時計購入に充てられたという引出しについては、訴えの一部取り下げを勝ち得るに至りました。
そして、残りの引出しについては、多少の金額を支払うことで早期決着させることに注力し、結論としては当初の訴えで請求された金額の4分の1程度の金額を支払うことでの早期決着となりました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
不正出金の問題は、基本的には訴える側が立証責任を負うものであり、立証には困難がつきものです。
訴えられた側の場合は、逆にそのことをよく理解し、安易に認めて言質を取られることがないように訴訟活動を行っていくことが肝要です。

【遺産分割・特別受益】相続人が10人もいて、中には一度も会ったことも聞いたこともない相続人が含まれていた事案で迅速に遺産分割交渉が成立した事例

依頼者:兄弟の1人
相手方:兄弟や兄弟の子供達

事案内容(相談までの背景)
京都在住で子供も配偶者もいない兄弟が死亡したということで(急なことで遺言書はありませんでした。)、たくさんの相続人がいるため、遺産分割交渉を依頼したいということで、ご相談がありました。
相続人の中には、兄弟の養子やその養子の内縁の妻との間の子供がいるなど、ご依頼者様には全く面識の無い遠隔地に住む相続人もいらっしゃったので、調停を申し立てないと処理が進まないかにも思われました。

 
問題点
ご依頼者様は、ご自分で弁護士や税理士を用意されたり、各種手続の費用をかけられたり、各相続人と面会したり、努力をされ、また費用もかけたため、他の人よりも若干たくさん相続分を取得したいという希望をされました。
面識の無い人が当事者に含まれていましたので、この希望を汲むことがどこまでできるのか、非常に悩ましい問題でした。

 
解決内容
まずは、詳細な財産目録を作りました。
また、これまでかかった費用の明細を作成し、これが遺産の中から支出されるべきだということを丁寧に説明する書面を作りました。
その上で、各相続人に各相続人が取得する配分案の手紙を送付し、ご意見を調整しました。
また、電話番号を教えてもらい、各相続人に説明をして、解決案に一人ずつ納得をしてもらいました。
最終的には、当方の提案通りの和解ができ、わずか3か月程度で遺産分割を完了させることができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
遺産分割においては、全く面識の無い相続人も多数発生する場合があります。
そのときに、素人判断で相手方に失礼な対応をすると遺恨を残し、解決が非常に遅くなることもあります。
もちろん、弁護士が対応すれば必ず揉めないなどということはありませんが、「専門家が言うのだから。」と思ってもらって、依頼者に有利でかつ迅速な解決ができたものと思います。

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