相続問題解決事例

相続問題の解決事例

【遺言】子がいない夫婦のケース

jirei_img3ご夫婦にはお子さんがいないので、いろいろ面倒を見てもらっている奥様の妹とその娘(姪)に遺産を渡したいとのことでした。
お話をお聞きすると、ご主人には、何十年も交流のない兄弟がおり、そちらに遺産をのこすつもりはないとのことでした。

 

きちんとした遺言をのこしておかないと、まったく交流のないご主人の兄弟に遺産がすべて行く可能性も十分ありました。
そこで、ご主人には、妻にすべて相続させることにし、先に妻が亡くなっていたときは妻の妹、妻の妹が亡くなっていたときは姪に相続させるという内容の遺言を作成しました。
また、奥様には、夫にすべて相続させることにし、先に夫が亡くなっていたときは妹、妹が亡くなっていたときは姪に相続させるという内容の遺言を作成しました。

 

このようにすれば、兄弟姉妹には遺留分が無いので、すべての遺産が奥様の妹か姪に行くことになります。
公証役場で遺言作成の手続を終えた後、ご夫婦から「これで安心です。」とのお言葉をいただきました。

 

【資産家】資産家で会社経営者の遺言書作成

jirei_img2従業員30名ほどの会社を経営するAさんは御年80歳ですが、現在も会社の運営に関与しバリバリと働いていらっしゃいます。Aさんは最近大病したこともあり、自分が亡くなった後の会社運営が混乱しないようにしたい、ということで当事務所に相談がありました(何十もの不動産もお持ちだったため、その行く末もご心配でした。)。

 

会社の株式は、亡くなられた時点で誰のものにするか決めておかないと、株主権の行使ができず、会社の運営がストップすることがあります。そのため、本件では公正証書遺言を作成し、
1.後継者となるお子さんに株式を単独相続させること、
2.万が一そのお子さんが先に死亡した場合には、そのお孫さんに株式を相続させること、
を定めました。
あわせて、遺留分に関する紛争が生じないよう、
3.不動産については、一部を各相続人に遺留分の分だけ相続させ、残りすべてを後継者に相続させること、
を定めました。

 

Aさんが亡くなった後も、このような公正証書遺言を作成していたことで、会社をスムースに次代に引き継がせるとともに、遺留分の問題が発生しないように不動産を各相続人に分配することができました。

 

適切な遺言を作成することで、相続人間の紛争の芽をつむことができました。現在も会社は順調のようです。

【在日韓国人】犯罪!?誤った相続手続き

jirei_img在日韓国人李さんが亡くなられましたが、李さんには日本で結婚した韓国人妻との間に3人の子供さんA、B、Cがいました。ところが李さんには日本に来る前に韓国で結婚した奥さんとの間に、2人子供さんD、Eがいました。

 

相続に関しては韓国民法が適用されますが(遺言で、相続について日本法による旨指定すれば、日本の民法によることもあります。)、日本と同じく子供さん全員が相続人になります。
ところが、A、B、Cのみで、不動産を含む全ての遺産が相続されていました

私は、韓国人の権益擁護をしている団体を経由して、Dさんから相談を受けました

 

このような手続きがなされてしまうことに疑問がありました。なぜなら、韓国の役所から、李さんの出生時からの戸籍謄本を取り寄せすれば、D、Eの存在が分かり、これらの方の承諾がなければ相続手続きができないからです。

 

不思議に思いながら、ともかく法務局で調査してみると、A、B、Cのみが相続人であるとの上申書を添付して、不動産につき相続登記がなされていることが判明しました。これは本来法務局としても、確認ミスがあると考えられ、正しい相続登記手続きではなかったと思います。

 

A、B、CはD、Eと会ったことがあるのでその存在を知っており、このような行為は犯罪に当たりうると考えられます。

 

その後、私の方でA、B、Cに対して、内容証明郵便で刑事上・民事上の責任を追及する旨の書面を出しました。A、B、Cにも弁護士が代理人に付き、交渉を経て、相続分相当額を取り戻すことができました。

【会社経営者】遺留分減殺請求のタイムリミット

jirei_img1亡くなられた方が会社の経営者であったケースですが、会社を引き継いでいくお兄さんに全財産を相続させるという内容の遺言がのこされていました。
弟さんが遺言書を見て、不公平だとお兄さんに公平な遺産の分配を求めたのですが、お兄さんは会社の経営には金が必要だから、お前に渡す金が無いと、取り合おうとしませんでした。

 

被相続人が亡くなられてから9ヶ月後に弟さんから当事務所に相談があり、まずは、当事務所から遺留分減殺請求の内容証明郵便を送付しました。
そうしたところ、お兄さん側にも弁護士がつき、1ヶ月程度で遺留分相当の金銭を受領する内容の和解を成立させることができました。
このケースでは、遺言書を見せられてから1年間法的な処置をしないでいると、遺留分減殺請求権が行使できなくなる事案でしたので、期限内にご相談いただけたのが幸いでした。

【寄与分】お父さんへの介護が寄与分として評価してもらえました

依頼者:長女(40歳代、会社員)
相手方:長男の子供(被相続人からすると、孫。長男は既に死亡。)

事案内容(相談までの背景)
長女としては長男の子供達との話し合いで遺産分割協議をしたかったのですが、子供達が感情的になり、遺産分割調停を申し立てられました。
長女は、被相続人(父親)の生前、ほぼ毎日病院に見舞いに行ったり、空き屋となった実家を掃除したりして、2年にわたって懸命に介護しました。しかし、長男の子供達は一切長女の寄与を評価しませんでした。

そこで、長女から当事務所に相談があり、依頼を受けることになりました。

 

解決内容
家庭裁判所の調停で、長女の寄与の具体的内容(介護の状況や様々な支出、掃除、そしてこれらの頻度)を主張すると共に、これを裏付ける日記や病院の看護記録や面会簿を取り寄せ、立証しました。
裁判所からは、この内容では寄与分を認めることは難しいが、相当長女側の貢献があったと評価してもらい、相手方に対して、寄与分に相当する金額を譲歩するよう、説得してもらい、約100万円ほど長女側の取得額が増加しました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
一般に寄与分の成立は非常に難しいため、このような労苦に報いるためには、事前に遺言をしておいてもらうべきでした。
とはいえ、本件のように裁判所の心を動かすことも不可能ではありませんから、諦めずに寄与分の主張をするべきだと思います。

 

 

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