私は中小企業のオーナー社長です。
離婚した元妻との間に息子と娘がおります。息子は会社の後継ぎにと考えています。
現在,内縁の妻と同居しています(籍は入れておりません)。
私が遺言を残さずに死んだ後,遺産はどのように分けられるのでしょうか。
ちなみに,私名義の財産は,自宅のマンション,会社に賃貸している土地,預貯金のほか,投資信託,上場株式などがあります。また,借金が1000万円ほどあります。
また,生命保険に加入しており,受取人は娘にしてあります。

答え
まず,相続人としては,息子と娘だけです。元妻も,現在の内縁の妻も,相続人になりません。
財産の分け方は,財産の種類によって変わってきます。通常は以下のように考えられています。

 

そもそも分けなくて良いもの
生命保険金・・・全て娘のものになる(遺産ではない)。
死亡退職金・・・退職金規程により決まる(内縁の妻になることも多い)。

 

話し合いをしなくても,当然に相続分に応じて分割されるもの
債務  借金は,500万円ずつ息子と娘が払うことになります。
預貯金(旧郵便局の定額貯金を除く)
会社に貸している土地の賃料債権
株式の配当請求権
投資信託のうちMMFやMRF
もっとも,これらも息子と娘で合意すれば,わざわざ半分に分けなくてもよいです。たとえば,マンションを息子が,預貯金を娘がもらうという遺産分割協議をすることができます。

 

これら以外の財産
これら以外のものは,話し合い(遺産分割協議)で分け方を決めることになります。
会社を息子に譲りたい,マンションに内縁の妻を住まわせたい,預貯金を娘に半分より多くあげたい,などの事情がある場合には,遺言を残しておく必要があります。