依頼者:被相続人の弟(60代)
相手方:被相続人の兄弟姉妹30人以上

事案内容(相談までの背景)
子どもがなく、妻には先立たれていた男性が亡くなったため、兄弟姉妹が相続人となった事案です。
男性の父親が再婚であったため、相続人となる男性の兄弟姉妹は、男性の父親の前妻との間の子(お父さんだけ同じ兄弟姉妹。半血兄弟といいます。)と、その後再婚した妻との間の子(両親とも同じ兄弟姉妹)の合計15人でした。
さらに、相続人である兄弟姉妹のうち多くが亡くなっていたため、兄弟姉妹の子どもたち(男性の甥姪)も相続人となり、結局、相続人は、合計40名になりました。相続人が多数である上、交流はほとんどなかったため、各相続人の生死さえよくわらかない状態でした。

 

解決内容
まず戸籍をたどって相続人を確定した後、各相続人に連絡をとり、相続分の兄への譲渡を依頼しました。
弁護士が交渉した結果、ほとんどの相続人から相続分の譲渡を受けることができ、兄の相続分は大幅に増加しました。
また、中には、認知症を患い、判断能力を欠く状況となっている相続人もいたため、後見人の選任申立も行いました。このような手続を経た上で、遺産分割の審判を申し立てたところ、相続分譲渡を拒否された相続人に対する一定の代償金の支払いを条件として、すべての遺産を兄が取得するという審判を得ることができ、無事相続手続は完了しました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
かつては兄弟姉妹が多かったため、相続人が多数にのぼるケースがあります。
相続発生から時間が経過してしまうと、相続人の死亡により、さらに相続人が増加していき、遺産分割手続を行うことが難しくなっていきます。子や孫に面倒事を引き継がせないためにも、早いうちに対応することが必要です。
 
また、顔も知らない相続人に対し、相続分譲渡の依頼をしても、相手からは不信に思われてしまいますが、今回は弁護士が交渉したことによって、ほとんどの相続人から相続分譲渡を受けることができました。
さらに、相続人が判断能力を欠く場合には、遺産分割手続にあたり、後見人選任等の手続も必要となりますが、今回はこの手続も当事務所にて行い、スムーズに進めることができました。