依頼者:妻
相手方:前妻との間の子ども

事案内容(相談までの背景)
夫が亡くなり、相続人は、妻と一人息子、そして20年前に離婚した前妻との間の子ども(A夫)の3人の事案でした。夫は、医師をしていたため、A夫は、妻に対し、多額の遺産があるはずだと主張しました。しかし、実際には、元々経営が厳しかったところ、さらに10年近く前から病気で入退院を繰り返し、遺産はほとんどありませんでした。
 
妻は、支給された保険金全額をA夫に支払うことを提案しましたが、A夫からは返事がなく、亡くなってから1年ほど経ったころ、A夫の代理人弁護士から、財産開示を求める書面が届いたため、当事務所に相談にみえました。

 

解決内容
A夫の代理人弁護士に対し、財産内容を開示しました。
また、妻は、夫の死後、夫の借金や、未払となっていた様々な費用を支払っていたため、妻が支払った夫の債務内容も整理して主張しました。
 
そのほかに、葬儀関係費用もすべて妻が負担していたため、この分も差し引くべきとの主張を行いました。
 
A夫も弁護士を依頼していたため、弁護士同士で話し合いを進めることができ、当方の主張の根拠を相手方弁護士にもきちんと理解していただくことができました。
 
結局、A夫も当方の主張にしたがって譲歩し、調停手続まで至ることなく、遺産分割協議書を作成して解決することができました。
 

bengosi解決のポイント(所感)
相手方が弁護士を依頼している場合、客観的資料をつけて、詳細に主張すれば、主張の合理性について弁護士が判断しやすくなります。
 
もちろん弁護士が理解したからといって、相手方本人が必ずしも納得するとはかぎりませんが、うまく協議がまとまる可能性は高くなります。
 
今回は、客観的資料に基づき、整理して詳細な主張をしたことが、円満解決につながりました。
ただし、前妻との間の子が相続人になる場合には相続時に揉めることが想定されるので、遺言を作成しておいていただきたかったなと感じました。