相続問題解決事例

相続問題の解決事例

【遺産分割】相続人が多数いたが、少額の謝礼を支払ったことで、被相続人の財産を全て依頼者が取得することができた事例

依頼者:亡くなった方(女性)のお兄さん
相手方:10人

事案内容(相談までの背景)
相続人である兄弟が多数いて、亡くなっている兄弟も多く、ご依頼者様では甥や姪と話ができませんでした。
また、相続人の中には精神病院に入院している方もいて、そもそも話ができない状況であるため、当事務所が手続を行いました。

 

解決内容
まず、家庭裁判所に調停申立てを行い、話し合いのテーブルを設けました。当事務所から、相続人全員を調査し、丁寧に相続分譲渡の依頼をした結果、全ての当事者から譲渡の同意を取り付けることができました。戸籍調査の過程で精神病院に入院した相続人が死亡していることが判明したので、さらにその相続人を調査し、相続分譲渡の同意を取り付けました。結果的に、少額の謝礼金を支払ったことで、被相続人の財産全てを依頼者が取得することができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
上手に手続外で相続分譲渡が受けられると迅速に遺産分割の解決ができます。
 
 
 
 

【遺産分割】夫の前妻の子供と夫の遺産分割で争ったが、弁護士が介入することにより、双方納得の結果で解決できた事例

依頼者:妻(60歳代 自営業)
相手方:夫の前妻の子供2名

事案内容(相談までの背景)
夫が急死して(70歳代 無職)、遺産として預貯金とマンションが残りました。前妻の子供と夫は10年以上接触がありませんでしたが、夫の死亡後、前妻の子供からマンションをすぐ立ち退けと強い催促を受けました。相手方は弁護士を付け、その弁護士も同調し、「警察に訴える」等と言って、依頼者へ再三強い説得をしてきました。また、夫の死亡後、依頼者が預貯金の大半を下ろしてしまったことも責められ、当事務所にご相談に来られました。

 
問題点

  1. 妻はマンションからすぐに立ち退く義務があるのか。
  2. マンションから立ち退かないこと、死後預貯金を払い戻したことが犯罪になるか。
  3. マンションの評価の方法・換価方法。

 
解決内容

  1. 刑事事件に発展することはなく、マンションは、依頼者も取得を望まなかったので、立ち退いた上で、双方が不動産売買仲介業者に依頼し、高い方の買い手に売却して、相続分に従い配分しました。
  2. 依頼者が立て替えた葬儀費用約150万円、49日法要費用約22万円を遺産から控除できました。
  3. 飲食業関係の権利は遺産から除外して、依頼者が単独で承継できました。

 

bengosi解決のポイント(所感)

  1. 65歳過ぎたら、遺言(遺言公正証書が望ましい)を作成した方が良いでしょう。
  2. 通夜、葬儀関係の出費、法事費用を立て替えた相続人は、相続財産から控除するよう要求すべきです(裁判例からは難しくても、調停実務で控除する例が少なくないです。)
  3. 飲食業関係の権利は通常遺産に含まれますが、相手方相続人とって無価値な場合もあるので、戦術を考えるべきです。
  4. 不動産の評価方法は、売却する場合は、実際の売値になります。相続人の誰かが取得する場合は、①固定資産税評価額、②路線価、③不動産業者の査定価格、④不動産鑑定士の鑑定価額が挙げられます。

【遺留分】遺産の大半が不動産である場合、法律上の遺留分割合を大きく下回る金額の支払で解決できた事例

依頼者:長男(会社員と農業 60歳代)
相手方:長女の子供3名(長女が死亡しているため代襲 相続)

事案内容(相談までの背景)
今回の相続の前に、父親の遺産相続がありました。その当時、すでに母親が認知症だったために、成年後見人を選任されました。その後、申立てした遺産分割調停は長引きました。成年後見人の弁護士はほぼあまり動いてくれなかったのにもかかわらず、多額の報酬(裁判所が決定)を支払うことになっていました。

今回も母親は判断能力がある段階で、「内容は、全財産を長男に相続させる」という公正証書遺言が作成されていましたが、遺産の半分は農地でした。

相手方から遺留分減殺請求されました。

 
問題点

  1. 長女の子供3名は既に嫁いでおり、不動産の取得を希望していませんでしたので、現金を渡すことで、なんとか遺留分の金額を下げたかった。
  2. 通夜、葬儀関係の出費、法事費用を相続財産から控除したい。

 
解決内容

  1. 通夜、葬儀関係の出費、法事費用の半分程度を遺産から控除できました。
  2. 固定資産税評価証明書によれば、子供3名の遺留分相当の金額は1600万円程度になるが、子供さん達も解決を急いでいたため、最終的に3名で800万円の代償金を支払うことで調停成立しました。

 

bengosi解決のポイント(所感)

  1. 通夜、葬儀関係の出費、法事費用を立て替えた相続人は、相続財産から控除するよう粘り強く要求すべきです(裁判例からは難しくても、調停実務で控除する例は少なくないです。)
  2. 不動産の評価方法は、相続人の誰かが取得する場合は、①固定資産税評価額、②路線価、③不動産業者の査定価格、④不動産鑑定士の鑑定価額が挙げられます。しかし、不動産を売却する場合不動産仲介手数料、譲渡所得税等の諸経費がかかるため、不動産の1600万円と現金の1600万円とは同価値ではないと考えられます。従って、その点強調して、代償金を下げることができました。

【遺産分割】息子さんが亡くなった事案でお父さんとお嫁さんとの間で遺産分割協議を早期に成立させました。

依頼者:被相続人の父(80代)
相手方:被相続人の妻(40代)

事案内容(相談までの背景)
息子さんが不慮の事故で亡くなり、子供がいなかったため、のこされたお父さんとお嫁さんとの間で遺産分割を行う必要がありました。
 
奥さんは兵庫県の出身であり、息子さんが死亡してからは、そのまま実家に帰ってしまっていました。
 
なかなか話し合いがまとまらないため、お父さんがご相談にみえました。

 

解決内容
事案としては、非常に単純で、お父さんとお嫁さんしか相続人がいませんでしたから、両者の法定相続分は、お父さん:お嫁さん=1:2です。
よって、こちらで解約等の手続を行うからお嫁さんに様々な書類にサインしてもらい、一定期間内に、全財産の3分の2に相当する金員を振り込みます、という提案を行いました(但し、お父さんから息子さんへの贈与金があったので、この分はこちら側が取得する計算で配分を決定しました。)。
 
当事務所から受任通知を送り、上記の提案をしましたところ、1か月程度で遺産分割協議が実現し、遺産分割を完了させることができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
当事者同士で話し合っていても、なかなか前に進まないことがよくあります。弁護士が立つと一気に話が進むこともあります。
 
また、本件では、話し合いがまとまらないと、こちらから遺産分割調停を兵庫の裁判所に申し立てる必要がありました。そのような無駄を避けることができたのもご依頼頂いたからだと思います。

【遺産分割】長年放置されていた不動産の遺産分割調停につき、不動産を売却して現金化した上で、早期に遺産分割調停を成立させることができました。

依頼者:被相続人の長男(40代)
相手方:被相続人の三男(40代)

事案内容(相談までの背景)
父親が亡くなり、母と長男、次男、三男が相続人となった事案です。
 
父親の遺産は、父親が居住していた自宅のみでした。母親と長男、次男は、母子で平等に相続しようと主張しましたが、三男がこれに反対し、母親が一人で取得すべきだと主張しました。
長男、次男が折れて、母親が取得することに同意しましたが、三男は、意見を変え、今度は母親には取得させたくないと言い出しました。
 
結局、話し合いはまとまらず、父親の死後、20年以上、遺産分割されないままに放置されていましたが、母親が施設に入所したことをきっかけに、遺産分割を進めたいと希望し、長男がご相談にみえました。

 

解決内容
長男は、母親から相続分譲渡を受けていたため、次男と三男を相手方として、遺産分割調停を申立てました。
母親からの相続分譲渡を前提に、当方では、法定相続分にしたがい、次男6分の1、三男6分の1、長男が6分の4の割合で自宅を取得し、住む人もいないため、売却して現金化してそれぞれが取得することを提案しました。
 
次男はこれに同意しましたが、三男は、母親も含めて、法定相続分での遺産分割協議が成立していたはずだと強硬に主張しました。しかし、そのような協議の成立を証明するものもなく、結局、調停手続の中で売却して当方の主張どおり分配することとなりました。
 
不動産の売却にあたり、売却最低価格の設定など、細かい条件について協議し、中間的な合意をしました。合意後に不動産を売りに出したところ、買い手がつき、無事に売却して、それぞれ現金を取得することができました。
調停が始まってから、終了するまで、半年ほどの早期解決となりました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
当事者同士で話し合っていても、なかなか前に進まないことがよくあります。まず調停を申立てれば、その後話し合いができなくとも、審判手続となって、裁判所が結論を出しますので、このように、結論が出る手続を進めることが重要です。
 
不動産の売却にあたっては、不動産業者や測量業者などとのやりとりが必要になり、また対立する当事者間で、誰がお金を管理するのかも問題になります。
当然、当事者間では、相手方が主導して売却手続を進めたり、お金を管理するのは同意できないということになりがちですが、弁護士が入って手続を行うことで、売却手続をスムーズに進めることができました。

【遺産分割】相続人が20人以上にのぼる相続で、行方不明者の相続人もいましたが、遺産分割調停を成立させることができました。

依頼者:被相続人の甥(50代)
相手方:相続人20人以上

事案内容(相談までの背景)
被相続人は妻子がなく、甥(依頼者)が、被相続人の世話をしていました。
しかし、遺言がなかったため、相続人は兄弟や甥姪など20人にのぼりました。
居場所も分からない連絡も取れない相続人もいて、被相続人の法事すら自腹でしなければならない状態でした。

 

解決内容
まず、戸籍等を全て取り寄せて、相続人を確定し、手紙を出しました。
手紙は届くが反応のない人もいましたが、手紙すら届かない人もいました。
このような場合、裁判所に財産管理人を選任してもらう必要がありますが、裁判所にお金を納めないといけません。
遺産の中に預金があったので、相続預金払戻の裁判を起こし、相続預金だけ先に払ってもらい、そのお金で財産管理人を選任してもらいました。
そのうえで、遺産分割調停を申し立てました。
 
多くの相続人は、甥(依頼者)が被相続人の世話をしていたのだからということで、無償に近い金額で、すべて取得してよいと言ってくれました。
弁護士を付けて権利主張をした相続人もいましたが、最終的には調停を成立させることができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
地道に相続人の居場所を探して、調停を申し立てる以外ありません。
本件では、相続預金がそれなりにあったので、依頼者の方も、自腹を切らずに最後まで手続きすることができました。
 
相続人が多くなる前に手を打っておくことがポイントです。
この事件の中でも、途中で亡くなった人がいて、その相続人が引き継いで調停を成立させました。
子どもがいない人は、兄弟姉妹が相続人になることがあり、膨大な数の相続人になることがありますが、その多くは疎遠な人が多いはずです。世話をしてくれる人や親しい人に対して、遺言を書いてあげることが重要です。

【遺産分割】相続分よりかなり低い金額で遺産分割協議をすることができました。

依頼者:被相続人の妻(60代)
相手方:甥

事案内容(相談までの背景)
夫が亡くなりましたが、夫婦間に子がいないため、甥(夫の弟の子)と一緒に相続することになりました。
甥は、夫と疎遠であり、遠方に居住していました。

 

解決内容
まず、甥に対し、被相続人が死亡したこと、相続分を譲渡してほしいことを手紙で伝えしました。
甥から連絡がありました。
甥といっても1/4の相続分があるため、交渉は難航することが予想されました。
しかし、話合いの末、1割程度の金額を支払うことで、遺産分割協議を成立させることができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
本件では、遺産といっても、不動産が多くを占めており、換金には困難を伴う可能性がありました。
また、甥は遠方に住んでおり、不動産をもらっても有効活用することは不可能でした。
預貯金などの金融資産も多くの金融機関に分散されていました。
相続税の申告も必要でした。
 
相続の手続は煩わしいことが多く、揉めてしまうと泥沼化することも多々あります。
そこで、預貯金の払戻しや相続税の手続も含め、煩わしい当方で全て行うと申し出ました。
甥は、煩わしい手続はなしで、相当な金銭が入ってくるだけという状態にしたことで、気持ちよくサインしてもらうことができました。

【相続放棄】相続の手続き後に、金融機関から1000万円以上の請求が来ましたが、相続放棄が受理されました。

依頼者:被相続人の子(20代)
相手方:金融機関

事案内容(相談までの背景)
依頼者は、被相続人(父)が亡くなった後、預金200万円を払戻しました。
しかし、1年ほど経った後、父宛に銀行から請求書が届きました。
父が保証人になっていた会社が、支払いを滞納したため、父に1000万円以上の請求が来たのです。

法律では、亡くなった人の預金を払戻してしまうと、相続放棄ができなくなってしまいます。
しかし、もし預金より多額の保証債務があることを知っていたら、相続放棄していたはずです。
そこで、相続放棄の手続について依頼を受けました。

 

解決内容
裁判所が、相続放棄を受理しました。
金融機関に対し、相続放棄されたことの証明書を送付しました。
その後、金融機関から請求が来ることはありませんでした。

 

bengosi解決のポイント(所感)
単純に、債務の存在を知っていたら、相続放棄したはずであることを主張しても、裁判所は簡単に相続放棄を認めてくれるわけではありません。
債務の存在を知りえなかったことを、背景事情を含め、具体的に主張しました。
また、払戻した預金を葬儀費用等に支出していることも、証拠を添えて主張しました。
このような弁護活動により、無事相続放棄が認められました。

【遺産分割】行方が分からなかった相続人を探し出し、預貯金の遺産分割を円満に行うことができました

依頼者:被相続人の養子(弟・60代)
相手方:長男

事案内容(相談までの背景)
被相続人(女性)は、長男がいましたが、離婚後全く接触が無く、行方が分からなくなっていました。
被相続人の弟は身寄りの無い被相続人と養子縁組をし、遺言書で被相続人の不動産を相続していましたが、預貯金については遺言がありませんでした。
そのため、預貯金について別途遺産分割協議を行う必要があり、長男と話し合う必要がありました。
そこで、遺産分割協議と調停の委任を受けることになりました。

 

解決内容
被相続人の戸籍謄本をたどっていき、被相続人の長男が現在どこに住んでいるかを調査しました。
その上で、被相続人が死亡したこと、遺産分割協議をしたいこと、を手紙で伝えましたが、一向に連絡がありませんでした。
 
やむなく、遺産分割調停を三重県で申し立て、長男に出頭してもらい、長男に事情を説明しました。
預貯金については2分の1で分けること、そのための手続には全面的に協力することの了解を1回の期日で取り付け、一気に預貯金を分割することができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
遺産分割は、様々な感情対立があるため、始め方を誤るとこじれることがあります。
本件では、長男が被相続人に捨てられたという感情を持っており、当事者が出ていくと、長男側との交渉が長引く可能性もありました。
代理人が客観的な状況を説明することで、感情対立を回避し、早期の解決につなげることができたものと思います。

【その他訴訟】10人ほどの相続人がいて多数の不動産がのこされた事案で、家賃収入があるアパートを高値で売却し、満足のできる遺産分割ができたとともに、家賃収益の一部を返還してもらえました。

依頼者:長女の子(20代)
相手方:長男ほか

事案内容(相談までの背景)
おばあさんが亡くなり、おばあさんの子供や孫ら約10名が相続人となりました。 
多数の不動産があり、誰がどの不動産を取得するのか決められず、また家賃収入があるアパートを管理し家賃を受け取っていた長男が家賃を全く引き渡そうとせず、争いになっていました。

 

解決内容
調停において、全員の了解を取り付け(中には遠隔地に住んでいる相続人もいて、了解を取り付けるのに相当苦労しました。)、家賃収入がある不動産を売却することにしました。
しかし、収益物件はリスクが大きいことから、なかなか思ったような値段で売ることができず、売却交渉は難航しました。
 
当事務所で紹介した不動産業者が他の業者よりも頭一つ抜き出た高額の見積もりを出してくれて、遺産額全額がアップし、皆が納得のいく分割を行うことができました。
 
また、家賃収入については、おばあさんが亡くなった後、家賃を受領していた相続人に訴訟を提起してきっちりと家賃の一部を返還してもらい、細かな費用の精算をして最終決着をつけることができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
収益物件は売却金額が低くなりがちですが、不動産業者を上手に選ぶことで高額の遺産分割が可能となります。
 
また、家賃収入がある場合は、きちんと処理しないと損をしますので、ちゃんと分割を請求するべきです。
 
 

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