依頼者:被相続人の甥(50代)
相手方:相続人20人以上

事案内容(相談までの背景)
被相続人は妻子がなく、甥(依頼者)が、被相続人の世話をしていました。
しかし、遺言がなかったため、相続人は兄弟や甥姪など20人にのぼりました。
居場所も分からない連絡も取れない相続人もいて、被相続人の法事すら自腹でしなければならない状態でした。

 

解決内容
まず、戸籍等を全て取り寄せて、相続人を確定し、手紙を出しました。
手紙は届くが反応のない人もいましたが、手紙すら届かない人もいました。
このような場合、裁判所に財産管理人を選任してもらう必要がありますが、裁判所にお金を納めないといけません。
遺産の中に預金があったので、相続預金払戻の裁判を起こし、相続預金だけ先に払ってもらい、そのお金で財産管理人を選任してもらいました。
そのうえで、遺産分割調停を申し立てました。
 
多くの相続人は、甥(依頼者)が被相続人の世話をしていたのだからということで、無償に近い金額で、すべて取得してよいと言ってくれました。
弁護士を付けて権利主張をした相続人もいましたが、最終的には調停を成立させることができました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
地道に相続人の居場所を探して、調停を申し立てる以外ありません。
本件では、相続預金がそれなりにあったので、依頼者の方も、自腹を切らずに最後まで手続きすることができました。
 
相続人が多くなる前に手を打っておくことがポイントです。
この事件の中でも、途中で亡くなった人がいて、その相続人が引き継いで調停を成立させました。
子どもがいない人は、兄弟姉妹が相続人になることがあり、膨大な数の相続人になることがありますが、その多くは疎遠な人が多いはずです。世話をしてくれる人や親しい人に対して、遺言を書いてあげることが重要です。