父が死亡して1年近く経ちました。遺産分割の話でもめていたところ,突然兄が,遺言書を出してきました。 その遺言書は,2枚に分かれており,2枚目には父の署名押印があるのですが,1枚目と2枚目との割印はありません。 1枚目の内容は父の筆跡に似ていますが,1枚目と2枚目の文章のつながりがおかしいので,無効ではないでしょうか。

答え
自筆証書遺言は,全文と日付,氏名を自書していれば,割印がなくても有効です。最高裁判所も,「遺言書が数葉にわたるときであっても,その数葉が一通の遺言書として作成されたものであることが確認されれば,その一部に日付,署名,捺印が適法になされている限り」有効であると述べています。
とはいえ,この遺言書の場合,1枚目と2枚目の文章のつながりがおかしいということが,どのような内容であるかによりますが,「一通の遺言書」として作成されたものではないと判断される可能性があります。そういう場合は,無効な遺言書ということになるでしょう。