jirei_img2従業員30名ほどの会社を経営するAさんは御年80歳ですが、現在も会社の運営に関与しバリバリと働いていらっしゃいます。Aさんは最近大病したこともあり、自分が亡くなった後の会社運営が混乱しないようにしたい、ということで当事務所に相談がありました(何十もの不動産もお持ちだったため、その行く末もご心配でした。)。

 

会社の株式は、亡くなられた時点で誰のものにするか決めておかないと、株主権の行使ができず、会社の運営がストップすることがあります。そのため、本件では公正証書遺言を作成し、
1.後継者となるお子さんに株式を単独相続させること、
2.万が一そのお子さんが先に死亡した場合には、そのお孫さんに株式を相続させること、
を定めました。
あわせて、遺留分に関する紛争が生じないよう、
3.不動産については、一部を各相続人に遺留分の分だけ相続させ、残りすべてを後継者に相続させること、
を定めました。

 

Aさんが亡くなった後も、このような公正証書遺言を作成していたことで、会社をスムースに次代に引き継がせるとともに、遺留分の問題が発生しないように不動産を各相続人に分配することができました。

 

適切な遺言を作成することで、相続人間の紛争の芽をつむことができました。現在も会社は順調のようです。