在日韓国人李さんが亡くなられましたが、李さんには日本で結婚した韓国人妻との間に3人の子供さんA、B、Cがいました。ところが李さんには日本に来る前に韓国で結婚した奥さんとの間に、2人子供さんD、Eがいました。
相続に関しては韓国民法が適用されますが(遺言で、相続について日本法による旨指定すれば、日本の民法によることもあります。)、日本と同じく子供さん全員が相続人になります。
ところが、A、B、Cのみで、不動産を含む全ての遺産が相続されていました。
私は、韓国人の権益擁護をしている団体を経由して、Dさんから相談を受けました。
このような手続きがなされてしまうことに疑問がありました。なぜなら、韓国の役所から、李さんの出生時からの戸籍謄本を取り寄せすれば、D、Eの存在が分かり、これらの方の承諾がなければ相続手続きができないからです。
不思議に思いながら、ともかく法務局で調査してみると、A、B、Cのみが相続人であるとの上申書を添付して、不動産につき相続登記がなされていることが判明しました。これは本来法務局としても、確認ミスがあると考えられ、正しい相続登記手続きではなかったと思います。
A、B、CはD、Eと会ったことがあるのでその存在を知っており、このような行為は犯罪に当たりうると考えられます。
その後、私の方でA、B、Cに対して、内容証明郵便で刑事上・民事上の責任を追及する旨の書面を出しました。A、B、Cにも弁護士が代理人に付き、交渉を経て、相続分相当額を取り戻すことができました。