兄が亡くなりました。 兄には妻子がおらず,相続人は私と姉だけですが,姉は認知症で,財産の管理ができない状態です。 父の預金を下ろしに行ったところ,遺産分割協議書などが必要だと言われました。 どうしたらよいでしょうか。
答え
お姉様は,財産管理の能力がないということですので,まずは,お姉様に後見人をつける必要があります。
それには,家庭裁判所に成年後見審判を申し立てる必要があります。
裁判所が,お姉様に判断能力がないと認めたときは,後見人を選びます。
後見人にあなた以外の人(第三者)が選ばれた場合には,その後見人とあなたとで遺産分割協議をすることができます。
なお,今回のケースでは,あなたが後見人になることも可能です。しかし,あなたが後見人となる場合には,それだけでは遺産分割協議はできません。
あなたがお姉さんに代わって,あなたと協議をするということは,けっきょくあなた一人で勝手に決めるということになってしまいますが,そういうこと(利益相反といいます。)は法律的に許されないからです。
あなたが後見人になった場合には,「特別代理人」を選んでもらうよう裁判所に申し立てる必要があります。そのうえで,特別代理人(あなた以外の第三者が選ばれます。)とあなたとで,遺産分割協議をすることになります。