依頼者:二女(50代)
相手方:長女(50代)、養子=長女の夫(60代)

事案内容(相談までの背景)
相談者の父は不動産を多数有している地主で、長女は、父から土地を借りて学校法人を運営していました。
 
今般、父が亡くなり、長女と養子(長女の夫)から、土地を学校法人に贈与し、残りの大部分を長女と養子で取得したいという遺産分割の提案がありました。
 
養子(長女の夫)が遺産の大部分を取得するという不公平な案でしたので、納得いかないとご相談にみえました。

 

問題点
法定相続分通りに分割することになかなか相手方が応じないことが問題でした。
 

解決内容
すぐに相手方に受任通知を送り、こちらとしては、学校法人に土地を取得させるにしても、その残りを3等分するという案では納得できない、長女と養子よりも沢山もらわないと和解するつもりはない、と強く主張しました。
 
そうしたところ、相手方も学校法人が土地を取得できないのは不利と見て、土地を除く遺産についてその5割程度を当方に取得させる案を受諾しました。
 
交渉期間は1か月程度で済みました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
この件は、依頼者は学校法人に遺産中の土地を取得させることに納得していましたので、とても柔軟な方でした。
 
それなのに、土地以外の遺産も殆ど依頼者に取得させないという態度が依頼者を怒らせました。
 
結論的には、もし、土地についても遺産分割の対象とするとかえって損(実は学校法人がとても安い賃料で長期の賃貸借契約を締結していたため、換価が極めて困難でした。)な事案でしたので、当方有利な割合で遺産を取得できたのは幸運でした。