依頼者:被相続人の長男(60代)
相手方:被相続人の長女(50代)

事案内容(相談までの背景)
父親が亡くなり、長男と長女が相続人となりました。
この一家は農家であり、他に別の事業も営んでおり、父親が高齢になった後、長男は生前に農地の贈与を受けました。
 
長女は、長男がもらった農地は特別受益であると主張して、遺産として残っている財産は大部分が自分のものであると主張してきました。

 

問題点
長男がもらった土地の評価が問題になりました。また、遺産の中にも農地があり、これを誰が相続するかが問題になりました。
 

解決内容
当方の特別受益の評価額を大幅に減らすことができました。
そのうえで、遺産分割においても農地のすべてを取得できたのみならず、他の財産についても当初の相手方の主張より大幅に多く取得できました。

 

bengosi解決のポイント(所感)
農地の実勢価格は長女が主張する価格より大幅に低いものでした。
農地は、そもそも農家にしかうることができないため、長女が相続しても、転売できるあてはありませんでした。
そのため、遺産として残っている農地について、長女は相続する気がないだけでなく、かえってお荷物でした。
 
そこで、不動産の評価額について立証する一方、長男は農家を継いでおり事業債務や農地に伴う負担を引き継いでいることを主張しました。
また、遺産として残っている農地を、長女も相続して、他の種類の遺産を当方が相続すると主張しました。
困った長女は、農地以外の種類の遺産について自分の主張を譲歩せざるをえなくなりました。